支援対話研究
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最新号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • ― 日本支援対話学会におけるAI活用の実践 ―
    原口 佳典
    2025 年10 巻 p. 3-16
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/07/15
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は、日本支援対話学会におけるAI活用の実践を通じて構築された支援的査読制度について報告するものである。当初の目的は、支援的査読を安定的に実施するためのAI査読実施基準を開発することであった。しかし運用を通じて、AI査読が研究内容の支援には有効である一方、原稿完成度の評価には限界があることが明らかとなった。その結果、AI査読と原稿完成度診断が区別されるようになり、さらに投稿前段階でのAI活用の有効性も確認された。これらの知見を踏まえ、本学会ではAI査読、原稿完成度診断、査読者による査読及び編集委員会による掲載判断を組み合わせた新たな査読制度を構築した。また、本実践を通じて、査読が投稿後の評価手続にとどまらず、投稿前の執筆支援としても機能し得ることが確認された。
  • ― ドラッカー『非営利組織の経営』を用いた実践 ―
    原口 佳典
    2025 年10 巻 p. 17-23
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/07/15
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿では、大学教育における多様な学生の学習機会を保障するための授業設計について報告する。近年、大学教育では学生の主体的な学びが求められているが、多様な事情を抱える学生への対応は依然として課題である。筆者は、ドラッカーの『非営利組織の経営』を基礎教材として用いた「非営利組織の経営」の授業において、授業動画の公開、毎回のレポート課題、期末レポートによる評価を組み合わせることで、欠席時でも学習を継続できる環境を構築した。実践の結果、履修者の単位取得率は90.0%となり、学生には社会課題への関心の向上やキャリア観の変化が見られた。本実践から、学ぶ自由とは単に出席を自由にすることではなく、多様な学生が学習機会へアクセスできる環境を整備することであると示唆された。
  • 学生レポートを契機とした授業者の実践的省察
    原口 佳典
    2025 年10 巻 p. 25-31
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/07/15
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は、大学の講義「非営利組織の経営」において提出された学生レポートを契機として、授業者の実践的省察をまとめたものである。当初、筆者は西條剛央が提唱する「人間の原理」「価値の原理」「方法の原理」を組織運営の枠組みとして講義していた。しかし、学生レポートを分析する中で、学生たちがこれら三原理を単なる個別の技法としてではなく、対立を理解し協働の可能性を探る一連のモデルとして活用していることに気づいた。本研究では、この学生たちの理解と、講義で扱ったドラッカーの組織論やTOC(制約理論)の「共通目的」の概念を統合し、対立を「共通目的の発見」によって解決へと導く「対立理解モデル」を構築した。本稿は、学生の学習成果を分析する過程を通じて、授業者が自身の講義構造を再発見し、教育実践を再構成するプロセスを明らかにするものである。
  • 人的資本理論と人材版伊藤レポートの比較分析
    原口 佳典
    2025 年10 巻 p. 33-39
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/07/15
    ジャーナル オープンアクセス
    近年、日本企業において「人的資本経営」が急速に普及しているが、その理論的基盤とされる人的資本理論と、実務上の人的資本経営との関係性については十分な検討がなされていない。本稿では、人的資本理論の主要文献および経済産業省の『伊藤レポート』『人材版伊藤レポート』シリーズを対象に文献分析を行った。分析の結果、本来、教育投資や能力形成を対象としていた人的資本理論が、日本における経営政策の文脈で再解釈され、企業価値向上を目的とする経営資源管理の枠組みとして変容したことが明らかになった。本稿は、この概念変容の過程を整理し、人的資本経営概念の形成過程について考察するものである。
  • ―The Hidden History of Coaching にみる複合的成立過程を手がかりとして―
    原口 佳典
    2025 年10 巻 p. 41-48
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/07/15
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は、Leni Wildflower著『The Hidden History of Coaching』(2013)にみる複合的成立過程を手がかりとして、コーチングの成立過程を歴史的・思想的背景から再検討するものである。コーチングは、心理学のみならず、セルフヘルプ文化、人間性回復運動、東洋思想やスピリチュアリティといった多様な知的伝統が「人の変容」という共通課題のもとで重なり合う中で成立した実践である。本稿ではこの成立史を紐解き、現代のコーチング研究が心理学的枠組みに留まらず、成立過程に含まれる思想史や社会運動史といった多面的な文脈を捉え直すことで、その営みをより立体的に理解する必要性を提示する。
  • ―ドラッカーの心理学的啓蒙専制批判から見るコーチング史―
    原口 佳典
    2025 年10 巻 p. 49-58
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/07/15
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は、マネジメントの父ピーター・F・ドラッカーが、自身の著作においてコーチングという概念を積極的に取り上げなかった理由を考察するものである。ドラッカーは人間開発や自己実現の重要性を説きながらも、コーチングという用語を避け続けた。本稿では、この背景にドラッカーの「心理学的啓蒙専制(enlightened psychological despotism)」批判があるという仮説を提示する。ドラッカーは、心理学的知見を他者の操作に利用する手法を知識の自壊的濫用として警戒していた。1970年代のコーチング周辺には、人間開発運動や自己啓発セミナーなど、支配的な介入を伴う実践が混在していた。ドラッカーの沈黙は、こうした「人間成長の名の下に行われる心理的支配」に対する警告として解釈できる。
  • ―学会誌『文明とマネジメント』掲載論文の検討から―
    原口 佳典
    2025 年10 巻 p. 59-67
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/07/15
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は、ドラッカー学会の機関誌『文明とマネジメント』の創刊号から第19号までに掲載された研究論文・研究ノート計190本を対象に、その内容を網羅的に分析したものである 。分析の結果、各論文は「ドラッカーの歴史」「比較ドラッカー研究」「ドラッカーの影響」「応用ドラッカー研究」「メタ研究」の5つのカテゴリに分類可能であることが明らかとなった 。特に全体の6割以上を占める「応用ドラッカー研究」の重要性を指摘するとともに、研究の深化に向けたメタ研究の必要性と、研究者間の対話を通じた発展的な学術コミュニティの構築を提言する 。
  • 三学会の設立趣旨と研究動向からみた非営利組織研究の形成過程
    原口 佳典
    2025 年10 巻 p. 69-74
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/07/15
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は、日本における非営利組織研究の形成過程を明らかにすることを目的とし、非営利法人研究学会、日本NPO学会、国際ボランティア学会という代表的な三学会の設立趣旨や研究動向を比較分析したものである。分析の結果、これら三学会は同じく非営利組織を対象としながらも、それぞれ異なる問題意識から形成されていることが明らかとなった。このことから、日本の非営利組織研究は単一の理論体系のもとで成立したのではなく、1990年代後半の社会変容を背景として、複数の社会的課題への関心が交差する領域として発展してきたことが示唆される。本研究は、学会研究という手法を通じて、日本の非営利組織研究の形成過程の一端を明らかにするものである。
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