支援対話研究
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学校コミュニティにおける心理援助ネットワークの創出過程に関する一考察
坪田 祐季
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2022 年 7 巻 p. 53-64

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抄録

スクールカウンセラーには,学校コミュニティを支援する視点を持つこと,個から集団組織に至るまでの幅広い援助活動の重要性が指摘されているが,学校コミュニティ内の心理援助における心理職の役割に関する具体的なモデルが少ないのが現状である。今後,心理職が学校コミュニティにおいて心理援助の役割を担っていくためには援助ネットワークにおける役割の明確化が必要である。本論では,A県B市の心理援助ネットワークの創出から定着のプロセスについて整理し,学校コミュニティにおいてネットワークが定着していくために必要な要素について検討した。検討の結果,初期の段階では,前提として学校・教育委員会・心理職の間で心理援助活動が積み重ねられていること,そして,機会を逃さずに活動を具体化していくことの重要性が示唆された。その後は,ネットワークを活用して,定期的互いに顔を合わせながら対話を重ねていくことが,ネットワークの維持・発展に重要な役割を果たしていると推察された。そして,時には心理職が「変革の促進者」としての役割を担うことも大切である。心理職自ら,市教委をはじめとする多職種・多機関へ働きかけていくことで,学校コミュニティ内に対話の場が創造され,対話を通して学校コミュニティに関与する援助職の互いの専門性について共通理解を図ることによって,学校コミュニティに応じたネットワークが創出され,変容しながら発展していくと考えられた。

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2022 一般社団法人日本支援対話学会
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