2022 年 16 巻 p. 115-125
ポストコロナ時代の大学教育に必要なものを確認するため,コロナ禍における実践授業を振り返った。本稿では,初年次生向けのアクティブ・ラーニングの授業に焦点をあて,オンライン上でも心理的配慮は可能なのかを確認・考察した。その結果,オンライン授業によるアクティブ・ラーニングでは,心理的配慮にはハイブリッド型授業がより適していることが確認された。また,オンライン授業で見出した手法を対面授業で生かすことによって,教室活動をより有意義なものにすることを再認識することができた。オンライン授業の普及により新常識となった受講者全員のパソコン持参や教育アプリケーションの活用を,ポストコロナでは対面授業の中でも生かせるはずだ。すなわち対面授業,オンライン授業それぞれに適した活動を見直し,教室ならではの活動とオンライン特有の活動を組み合わせることによって,授業の内容をより質の高いものにしていくことが期待される。