本研究は,認知カウンセリング(CC)に基づく大学英語ピア・チュータリングにおける学生チューターの診断能力と相談技法の発達過程を明らかにする。複線径路等至性モデリング(TEM)による9名のチューターへのインタビュー分析の結果,チューターは当初表面的な診断に留まっていたが,継続的実践を通じて英語習熟度・学習方略・動機的志向性の包括的な評価を行うようになった。多様なチューティとの関わりにより,3つのタイプ(高習熟度・高動機,低習熟度・高動機,低習熟度・低動機)を特定し,対応する適応的方略を用いた。TEM分析により,CCの診断・説明・振り返り段階を流動的に循環させる非線形的発達が捉えられた。チューターの指導は成果志向から学習者中心へと変化し,ピア・チュータリングがチューター・チューティ双方の成長を促す動的プロセスであることが実証された。本知見は効果的なピア・チューター育成プログラム設計に寄与する。
本研究では,短期大学における日本語と英語の科目連携を行い,読解に関する苦手意識の調査を行った。筆者らの勤務する短期大学では,4年制大学への編入を目指す学生を対象とした日本語の文章表現科目およびTOEICの準備科目が提供されている。その中で,学生が日本語・英語を問わず長文読解に対して苦手意識を抱えていることが課題として見られた。そこで筆者らは,学生の読むことに対する苦手意識の緩和を目標とし,日本語と英語のシラバス連携を試みた。その結果,シラバス連携を通して,苦手意識の緩和には至らなかったものの,読むことに対する抵抗感の緩和につなげることができた。日英で多種多様な文章を読んだことや,両言語での文法や構成を意識し文章全体を把握することで,読むことへの意識が変化したと考えられる。また,語彙や知識不足といった,読むことが苦手となっている要因が明らかとなったことで,今後の授業の改善につなげられると考えられる。
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