2022 年 16 巻 p. 191-199
近年,薬剤師には,基礎科学を臨床現場で生かし,現場でおこる様々な問題点に対する解決力が期待されている。その一方で薬学生の質の維持への課題が指摘されている。そこで本研究では,学生が種々の科目を分野横断的に理解して学び,知識習得までのプロセスを体験できることを目的とした新たな学習方略として,ジグソー法とシリアスゲームの要素を取り入れた,ワークショップ(WS)型学習方略を立案・実践した。その学習成果について,知識習得度確認試験及びアンケート調査により評価した。知識習得度確認試験の結果より,全学年で点数の向上が確認され,本WSが知識の向上に寄与することが示された。また,アンケートの単純集計より,概ね本WSにより科目間のつながりが見え,講義形式に比べて理解が深まったことが示された。さらに,自由記述からは,学年を横断したグループ編成が,学年間の交流の機会となっていたことが示された。