論文ID: 2022.05.19.01
本稿では,オンライン型協調学習を通じて学生達が話し言葉を改善するための授業デザインを新たに検討した。グループ議論を通して,他者の文章内の話し言葉にどの程度気づき指摘できるかを検証するため,レポート課題を課し,グループ議論後に修正レポートを再提出させた。検証には,オンラインでの授業実践用に用意したグループウェアに蓄積されたレポート,指摘データやZoomに記録された録画映像から,学生たちの指摘の傾向や話し言葉への気づき・コメントの動きを分析した。結果,再提出後の話し言葉が18.7%減少し,他者からの指摘なしでの修正も116個(10.2%)確認できた。協調学習が他者への指摘に加え,自身のレポート推敲にもつながっていたことがわかった。また,文脈判断の必要なあいまいな話し言葉も37個検出できていた。本研究で,オンライン上のグループで他者の文章を共有しながら議論を行うことが十分可能であり,また話し言葉の減少も確認することができた。