2017 年 21 巻 2 号 p. 130-138
本研究の目的は,糖尿病足病変入院患者を看護する看護師の経験から,患者とのかかわりがいかに成り立っているのかを身体性に注目して記述することである.足病変患者の看護経験がある看護師に,非構造化面接を実施し,現象学を手がかりに2名の参加者のかかわりを記述した.
参加者A氏は,患者の痛みやその生活の現状を自分の身体に接続させながら理解していた.また,足病変や健肢を知覚することで,患者の過去や現在の治療状況・医療システムを背景にそれらの意味を捉えていた.参加者B氏は,患者の治療を共にするなかで,患者の苦悩や治療の意味を身体から分かるようになった.かかわりは,このような看護師の身体の経験をもとに成されていたのであった.
足病変患者への看護師のかかわりは,身体からの応答として成り立っていることが明らかになった.これは,知識をもとにして思考することとは別様の,身体で応じる中で自ずと生起するものと考えられた.