日本糖尿病教育・看護学会誌
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2型糖尿病患者の受診に向けての主体性および療養における行動・思いとの関連
岩田 文木元 喜子佐藤 佑郁竹内 悠華中野 雄太八田 菜未水野 友貴本谷 裕香稲垣 美智子多崎 恵子堀口 智美
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2017 年 21 巻 2 号 p. 155-162

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抄録

本研究では,2型糖尿病患者の外来受診に向けての主体性および療養における行動・思いの実態と,これらの関連を明らかにすることを目的とし,2型糖尿病患者175名を対象に自記式質問紙調査を行った.主体性は自宅で受診前に行う振り返りおよび医療者に聞きたい内容の準備の有無にて査定,行動・思いは,食事・運動・薬物療法の遵守,糖尿病療養に関する知識の理解,外来受診への肯定的思い,医療者への期待など31項目にて査定した.

その結果,有効回答149名(85.1%),受診に向けての主体性あり47名(31.5%)であった.療養における行動・思いの実態では,薬物療法の遵守,糖尿病療養に関する知識の理解,外来受診への肯定的思いにおいて,“良好”との回答割合が高かった.主体性と行動・思いとの関連では,全31項目中15項目で有意差があり,その多くは糖尿病療養に関する知識の理解と医療者への期待における項目であった.

以上より,患者が主体性を持てるよう知識を提供すること,患者が治療の効果を得ていると実感できるよう医療者が関わることの重要性が示唆された.

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© 2017 一般社団法人 日本糖尿病教育・看護学会
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