本研究の目的は,日本糖尿病療養指導士(以下,CDEJと略す)資格を持たない看護師の日本糖尿病協会作成の糖尿病療養指導カードシステム(以下,カードシステムと略す)導入による気持ちの変化を明らかにすることである.自記式無記名式質問紙調査を実施し24名のCDEJ資格をもたない看護師の記述を内容分析した.導入前の気持ちは【療養指導はCDEJに任せればよい】【療養指導が提供されているか心配である】【療養指導の仕方がわからない】【糖尿病患者には関われない】【糖尿病患者に対応できるか不安である】の5カテゴリーであり,導入後の気持ちは【糖尿病教育内容が患者にとって良いものと思える】【療養指導ができるようになったと感じる】【糖尿病患者に興味を持つ】【療養指導を提供できているか不安である】の4カテゴリーであった.
カードシステム導入はCDEJ資格を持たない看護師の療養指導の成功体験となり,糖尿病患者に興味を持つ気持ちへの変化となった.療養指導に対する不安に対して,療養指導時間の確保,糖尿病に関する知識向上の支援,CDEJ資格を持つ看護師による支援体制構築の必要性が示唆された.