2026 年 30 巻 1 号 p. 55-68
研究目的は,糖尿病患者への遠隔モニタリングを用いた看護支援を先行事例から明らかにすることである.対象者は機縁法による看護師と医師で,4施設(特定機能病院1,一般病院1,診療所2)から9名が参加した.半構造化インタビューにて事例背景や実践方法・内容,成果等の情報を収集し質的帰納的に分析した.結果,<実施までの準備>は既存環境の対応範囲内でなされ,<実践方法>はインスリン治療者等を対象に,医師の遠隔診療前後に,<実践内容>はモニタリングデータと生活やセルフケア状況など個別性に応じた血糖管理支援等のほか,情報通信機器の特性を活かし支援していた.<成果>は治療参加姿勢の改善,データの改善・維持,安心感や通院負担軽減等であった.<利点>は即時の血糖調整や緊急対応等,<欠点および課題>はデジタル機器の操作性や施設の不採算性等であった.本看護支援は,医師との相補信頼関係に基づき,看護の専門性を最大限に活かしてなされるものと考えられ,十分な高齢者対応や適正な政策的評価に向け今後も事例の蓄積が必要である.