立命館大学アート・リサーチセンターでは、国内外に所蔵される染色型紙のデジタル・アーカイブを進めている。型紙は、多様なデザイン(文様)やその展開を明らかにする上で重要な資料となる。しかし、資料数が膨大であることに加えて文字情報が少ないため整理は難しく、学術研究の環境が整っているとは言い難い。
そこで、資料撮影に加え、型紙に彫刻された文様を分類することにより、整理と分析を進めてきた。本稿では、第一に型紙のデジタル化の過程を紹介する。第二に、株式会社キョーテック(京都市)が所蔵する約18,000枚にも及ぶ大規模な型紙コレクションを整理する過程で明らかになった本コレクションの特徴と全容を報告する。