日本地震工学会論文集
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論文
鹿島地域の液状化による管路被害集中地域と地形変遷
鍬田 泰子池尻 大介
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2012 年 12 巻 4 号 p. 4_249-4_262

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抄録

東北地方太平洋沖地震は北関東の東京湾岸や利根川流域に広域な液状化を引き起こした。地表近傍に埋設されている小口径の配水管路は液状化による地盤変状で継手の抜けや漏水の被害が発生するため、管路の被害量は地盤変状を表す指標となる。利根川河口にある鹿島地域の管路被害分析の結果、管路被害が広域かつ均質に分布するのではなく、1km2相当の範囲に液状化による管路被害が集中する地域が形成されていた。本論文は、この液状化による管路被害集中地域の要因を地形履歴から分析したものである。分析の結果、現在の地形図だけでは管路被害集中地域となる箇所を特定するのは難しいが、旧版地図の併用が管路被害集中地域の特定に有効であることを示した。

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© 2012 日本地震工学会
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