抄録
東日本大震災により鉄道の運行が停止した首都圏では、多くの人が帰宅困難となる事態が発生した。本報は、都心の大学に通う学生及び教職員の震災時の帰宅行動を明らかにするため、東京理科大学九段校舎に通う学生及び教職員に対して行った帰宅行動アンケート調査の結果について報告する。調査結果から、学生の大多数は大学校舎への宿泊を選択しており、教職員は比較的に帰宅を選択する傾向にあることが認められた。帰宅手段は徒歩が一番多く、帰宅距離が約15km以内に多く分布した。また、帰宅距離が約30kmを超える遠距離帰宅者の存在も確認された。(※本報は文献1)、2)をもとに新たに分析を加え加筆修正したものである。)