2016 年 16 巻 3 号 p. 3_183-3_200
東日本大震災では、過去の地震では見られなかった平面道路の突き上げや、埋設管路の継手の抜けや外れといった特異な被害が生じた。これらの被害メカニズムを整理すると、埋立土層の下面が傾斜している箇所や地盤剛性が異なる箇所、また、構造物の境界付近で液状化した後も地盤が揺すられ続け、その影響でひずみが生じて、埋設管の継手が外れるといった被害が発生していると考えられた。本研究では、浦安市内で水道管被害を受けた代表的な5測線に対して、深浅測量や航空写真、表面波探査等の結果を総合した地盤モデルを作成し、2次元地震応答解析を実施した。その結果、埋立層の下面が傾斜している箇所や地盤剛性が異なる箇所でひずみが増幅することが明らかになった。