日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
論文
スペクトルインバージョン解析に基づく巨大プレート間地震の震源特性の検討
-1985年メキシコ地震と2015年チリ地震の発生域での検討-
友澤 裕介加藤 研一渡部 哲巳川合 佳穂
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2020 年 20 巻 1 号 p. 1_82-1_92

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抄録

1985年9月19日のメキシコ・Michoacan地震 MW 8.0や2015年9月16日のチリ・Illapel地震MW 8.3は,陸域直下のプレート境界で発生した地震であり,震源域直上で多くの強震観測記録が得られている.本検討では,同領域周辺で得られた本震及び余震の観測記録を収集し,スペクトルインバージョン解析を行い,同地域のQ値,震源特性,サイト増幅特性を評価した.また,評価した震源特性から地震モーメントと短周期レベルの関係や,応力降下量と震源深さの関係を検討した.その結果,応力降下量と震源深さの関係を整理したところ,ばらつきが大きいものの深さ依存性が見られた.また,地震モーメントと短周期レベルの関係は,1985年メキシコ地震の本震と最大余震では,既往の経験式の平均レベルよりも小さく,2015年チリ地震の本震では平均レベルであった.

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© 2020 公益社団法人 日本地震工学会
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