2021 年 21 巻 2 号 p. 2_130-2_153
強震動予測においては震源・伝播・サイト特性を適切に設定することが重要である.これらの特性は極めて複雑であり,フォワード的に設定することは依然として難しく,特に事前情報が得られていない任意地点における精度の高い予測手法の開発が急務である.本研究では,全国展開された強震観測網で得られた多数の強震記録から震源・伝播・サイトの各特性を分離し,フーリエスペクトルの振幅情報だけでなく位相情報も考慮した,任意地点に適用可能な強震動予測手法を提案した.また,同手法を用いて2011年東北地方太平洋沖地震最大余震を対象にした強震動シミュレーションを実施し,その適用性を検証した.