本研究では,地震により被災した建物を対象に実施される住家の被害認定調査の効率化を目的とし,深層学習のアルゴリズムの一つである畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を適用した建物の被災度判別を試みた.まず,2016年熊本地震後に実施された被害認定調査における建物の外観画像からデータセットを作成した.そのデータセットにCNNを適用し,対象建物の全壊・非全壊を判別するモデルの構築に向けた検討を進めた.画像数の不足に伴う過学習を抑制するために,他の地震で被災した建物の画像データを追加し,判別モデルの精度向上を図ることができた.