2025 年 25 巻 1 号 p. 1_186-1_199
断層面が地震発生層内に広がると,地表地震断層が現れるようになる.どの程度の地震規模になると地表地震断層が現れるかを定量化することは,強震動予測の重要なテーマである.武村(1998)は1885年~1995年に発生した日本の内陸地殻内地震を対象とし,気象庁マグニチュードと地表地震断層の出現率の関係を整理した.本報は1995年以後に発生した地震を武村(1998)のデータセットに追加し,モデル関数を用いて地表地震断層の出現率を定量化した.モーメントマグニチュードを用いた地表地震断層の出現率も新たに定量化した.データの少ない大規模地震の地表地震断層の出現率については海外の地震や,特性化震源モデルを用いた理論的検討により補った.