2025 年 25 巻 1 号 p. 1_239-1_249
動力学的断層破壊シミュレーションに基づいて,地殻内で発生する横ずれ型と逆断層型の地震(地震モーメントM0 = 4×1017~8×1020 Nm)および地震動のデータセットを作成し,断層近傍における地震動の最大速度振幅および擬似速度応答スペクトルと地震規模の関係について検討した.横ずれ型の地震の地震動振幅は,1020 Nm程度で頭打ちする.逆断層型の地震では,最大速度振幅で見るとM0との比例関係は約1020 Nm以上で鈍化するが,対象とした地震規模では周期1秒と5秒の擬似速度応答値に頭打ちは見られない.平均応力降下量を変数として,地表での最大すべり量と断層長のスケーリング則を評価した.