抄録
強震動予測の高周波数帯域における精度向上を図るには,この帯域における地震動特性を明らかにする必要がある.そこで本研究では強震動予測のための高域遮断フィルターを提案することを目的に,2005 年福岡県西方沖地震の本震および余震の高周波数帯域におけるスペクトル低減特性を示す高域遮断フィルターを求めた.その結果,2005 年福岡県西方沖地震の本震の高域遮断フィルターを規定する周波数(高域遮断周波数 fmax)は6.5Hz,余震のそれは9Hz~20Hz と推定された.また,強震動予測においては大地震と小地震のスペクトル低減特性の違いを補正するフィルターも重要であり,これについても検討を行った.