日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
計測震度と住家被害率の関係
罹災調査結果を用いた検討
翠川 三郎藤本 一雄
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2002 年 2 巻 2 号 p. 15-22

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抄録
震度と住家被害の関係をより定量的に検討するために、1995 年兵庫県南部地震や2000 年鳥取県西部地震などの最近の5つの地震での罹災調査による住家被害率と計測震度の関係を検討した。その結果、1) 全壊率、全半壊率および一部損壊以上の被害率は、それぞれ震度6強、震度6.0 前後および震度6弱を境として、それ以上の震度で急増する傾向にあること、2) 既往の被害関数はこのような被害率が急増する傾向を十分には表現できていないこと、3) 兵庫県南部地震の場合と鳥取県西部地震の場合とでは震度6以上で全壊率や全半壊率の関係に違いがみられること、4) 既往の震度解説表での木造家屋の被害の記述は、本研究で示した震度と被害率の関係と矛盾するものではないが、記述が具体的でなく改善する必要が高いこと、を指摘した。
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