抄録
本稿は、平成12 年芸予地震における広島県呉市の住家被害と市域の斜面形状との関連について検討したものである。住家の被害は、震動による家屋上部構造の被害が主因ではなく、斜面上の宅地の石積み・基礎部分の被害によるものが主であった。また、住家被害は土砂災害の多い東側斜面ではなく、斜面が急な西側に集中した。とくに尾根・谷の規模が小さい地域の尾根先で被害が多かった。さらに住家被害は斜面の中腹部で被害が大きくなることが知られた。これは、不整形地盤における地震動の反射・屈折によって斜面中腹部の地盤応答が大きくなった影響であると考えられる。