本稿においては, 奢侈的な鞄, スーツケース類の製造・販売業者, ルイ・ヴィトンの世界的規模での空間的拡張が記述される. この拡張は, フランチャイズ・システムを避けて, もっぱら自己店舗か過半数を所有するジョイント・ヴェンチャーに依拠して行われており, 小売業務の世界的展開としては希なケースである。この拡張は, 西ヨーロッパ, 太平洋西縁地域およびアメリカという大陸規模の3地域で同時に行われた. それぞれの地域内部では, 一人あたり民間消費支出額の減少とおおよそ照応する形での, 外縁部へ向かっての店舗の普及がみられる.