経済地理学年報
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地産地消に関連する諸活動と社会関係資本 : 千葉県安房地域を事例として
横山 繁樹櫻井 清一
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2009 年 55 巻 2 号 p. 137-149

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抄録

本研究は,千葉県安房地域で実施した集落および農家調査に基づいて,地産地消に関連する様々な組織的活動の特徴を明らかにするとともに,社会関係資本と地産地消に関連する取り組みとの関係について考察することを目的とした.得られた知見は以下のとおりである.第1に,集落レベルの構造的社会関係資本は,高付加価値化といった利益追求型の取り組みに加えて,環境保全型技術の採用,都市農村交流への取り組み,中山間地域等直接支払い制度の集落協定の締結といった,必ずしも個人の所得向上に直接つながらない組織的活動にも貢献している.第2に,世帯レベルの構造的社会関係資本に関しては,地域生活集団への参加程度の高い世帯ほど直売所への出荷も積極的であった.また,観光農園を行う経営者は,知人ネットワークが同一集落ないしは市町村内に限定される者が多かった.これらを合わせて鑑みると,地域の活動に活発に参加し近隣住民と密な関係をもつ世帯ほど,所得向上に直接つながる地産地消関連活動に対しても積極的であることがうかがわれる.第3に,世帯レベルの認知的社会関係資本は,地産地消に関連する活動とは特に関連がみられなかった.

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© 2009 経済地理学会
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