経済地理学年報
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多摩川源流大学の取り組みと地域づくり(フォーラム)
石坂 真悟
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2015 年 61 巻 2 号 p. 134-139

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抄録
本稿は,2014年経済地理学会多摩川源流地域大会で報告した内容を基に,多摩川源流大学の取り組みと地域づくりへの波及効果についてまとめたものである.多摩川源流大学は,河川の源流域で生きた学びの場を提供するために,東京農業大学と山梨県小菅村が協力し,村全体をフィールドとした単位取得可能な大学の実習として始まった.山梨県小菅村は多摩川の源流域にあり,地域の文化や生業そのものが大学生にとって生きた教科書となっている.われわれは,これらを大学教員から学ぶだけではなく,地元に住む住民を講師に認定し,指導してもらうことによって,より地域に密接した課題や知恵を学ぶことができると考えた.源流域の現状を都市部で生活する大学生が体験学習することで,農山村と都市を結ぶ人材を育成するだけではなく,地域の自然や水資源の理解・保全活動などにつながり,それが多摩川流域全体や他の流域などへ様々な形で広がっていく活動を行っている.
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© 2015 経済地理学会
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