経済地理学年報
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韓国経済地理学の発達と研究動向
李 哲雨
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2019 年 65 巻 3 号 p. 260-271

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抄録

    本論文は,韓国経済地理学の発達過程の研究成果をまとめ,今後の韓国経済地理学の研究の方向と課題を提示したものである.韓国経済地理学は1950年代後半から本格的に発展した.特に1997年の韓国経済地理学会の創立以来,量的な面だけではなく,研究テーマや方法の多様化など,質的な面での目覚ましい発展の結果,現在,韓国地理学の発展をリードする中心的な地位を確立した.今後,韓国経済地理学の研究は,特定の範囲やイッシューの枠を超え,新たなテーマについての新経済地理学をはじめとする様々な視点やアプローチ方法の多様化が切実に求められる.
    また,特定の経済空間の経験的な事例研究中心から脱却し,新たな分析枠組み (framework) の確立と理論化についての研究が活性化される必要がある.現在,非常に限られた韓国研究者のプールを勘案すると,これらの問題点は個人レベルの研究を通して解決できるものではない.したがって,韓国の経済地理学者だけではなく,関連分野の研究者間の公式,非公式な共同研究の場がより活性化されなければならないだろう.

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© 2019 経済地理学会
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