本稿では,中心市街地活性化・商店街振興・まちなか再生の隘路を明らかにするために,土地の活用段階を所有や管理の状態に応じて網羅的に類型化し,これを基準に関連法令・要綱・答申等の政策文書,行政調査及び先行研究の対象を分類することで,現行制度や政策論の射程を検証した.
結果として,現在の政策や議論は「空き店舗」,「空洞化」又は「スポンジ化」といった外観を課題としているものの,遊休状態や事業放棄された低利用状態,すなわち,外観と異なり,利用者にとっては空かない状態の土地への対策が見落とされ,隘路と化してきたことが明らかになった.
背景として指摘できるのは,現行政策における都市中心部の土地の利用と所有・管理状態とを区別した分析概念の不足,外観重視の都市計画思想,積極的な開発主体や既存組織向けの施策への偏重,市街地開発事業・取引仲介者のインセンティブ低下,及び過少利用土地対策における経済面・地理面の目的を総合する方針の不在である.
これらにより,都市中心部の遊休土地・低利用土地の問題性や専門的な施策の必要性・公共性が見落とされてきたと考えられる.その解決には,言わばスポンジの目詰まりを解消するような,自律的に不動産を再流通させ,人々が自然に凝集する都市像を目指す政策論が求められる.