2026 年 72 巻 2 号 p. 190-204
本稿では,東京都東部を事例として,プラネタリウムの投影サービスのサービス圏を分析することを試みた.研究対象としては,サービスの利用者,提供形式,及び利用目的に注目し,①個人による固定式の一般利用,②集団による固定式の教育利用,③集団による移動式の教育利用,の三タイプのプラネタリウムサービスを取り上げ,それらのサービス圏を考察した.GISを利用して,利用者 (個人や小学校) の分布図を作成し,一次・二次サービス圏(それぞれ,全利用者の60%と80%を含む円)を設定したところ,個人による固定式プラネタリウムの一般利用は,約10kmの二次サービス圏を形成していた.一方,集団による固定式プラネタリウムの教育利用では,約5kmと一般利用に比べて狭い二次サービス圏しか形成されていなかった.このようなサービス圏の規模の大小は,個人と集団のアクセスにおける制約の強弱が関係すると考えられる.集団による固定式の教育利用での狭いサービス圏は,サービスの空白地域を生み,集団による教育利用で,移動式プラネタリウムの業態を成立させ,約30kmの二次サービス圏を展開していた.