経済地理学年報
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経済史とのボーダレス化に向けて
小木田 敏彦
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2026 年 72 巻 2 号 p. 229-236

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抄録

 経済史との分断状況を解消するには中間組織論が突破口となり得るが,経済地理学ではその組織の存在意義である市場の失敗への対処に関する関心が極めて薄い.市場の失敗を引き起こす様々な要因は集合的行為のジレンマとしてモデル化されており,本稿では「共有地の悲劇」を足利(栃木)の意匠の問題に,そして「囚人のジレンマ」を川俣(福島)の共同購入の問題に適用した.この結果判明したのは市場の失敗が複数のジレンマによって生じ得たことであり,経済地理学は戦前期日本に関する独自の中間組織論を構築するために,ジレンマの束という問題に着眼する必要がある.

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