抄録
白血球除去療法 (Leukocytoapheresis : 以下, LCAP) は, 末梢血中および炎症局所から活性化白血球を含む白血球を取り除くことにより, サイトカインの過剰産生を回避, 抑制し, 病態の改善をはかる治療法である。一般には炎症性腸疾患や関節リウマチに対して施行され, 良好な結果が報告されている。今回, われわれは敗血症により多臓器不全に進行した4症例に対して, LCAPを施行した。呼吸, 循環状態の改善を認めたが, 救命はできなかった。肺をはじめとした重要臓器でのsecond attackを予防し, 多臓器不全への進行を抑制するためには, LCAPの適格な症例選択および開始時期を今後検討する必要がある。