2007 年 27 巻 1 号 p. 99-102
症例は85歳, 男性。肺癌にて2003年6月右肺上葉切除を施行, 同年10月脳転移を指摘されガンマナイフ治療を施行された。10月下旬より腹痛が出現し, 緊急入院となった。入院時右下腹部に手拳大の腫瘤を触知し, ガストログラフィン注腸造影および腹部CT検査を行ったところ盲腸および横行結腸の腸重積による腸閉塞と診断された。横行結腸の重積は注腸によって解除されたが盲腸の重積は解除されず, 緊急手術となった。開腹にて盲腸から横行結腸まで多発性の腫瘍性病変を認めた。2ヵ所において1型の腫瘍が先進部となった腸重積と診断し, 拡大右半結腸切除術を行った。組織学的診断にてpleomorphic carcinomaの所見で原発巣と一致し肺癌の大腸転移と診断された。