2007 年 27 巻 7 号 p. 923-928
下部消化管出血の頻度は上部消化管出血の約10分の1程度で, 大腸出血が大半を占めているが, 最近小腸内視鏡の普及によって, 小腸出血を内視鏡的に診断される機会が増加した。原疾患は上部に比較し多岐にわたり, われわれの施設では出血性大腸炎, 虚血性大腸炎, 痔出血, 大腸憩室出血, 急性出血性直腸潰瘍が多くを占めていた。内視鏡治療は急性出血性直腸潰瘍に対してはヒータープローブ法が有効で, ポリープにはポリペクトミーが, 憩室出血などその他の疾患にはクリップが有効であった。