日本腹部救急医学会雑誌
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原著
大腿静脈カテーテルの上行腰静脈迷入についてのX線学的検討
森田 賢上野 恵子鈴木 一史町田 治彦藤村 幹彦
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2008 年 28 巻 3 号 p. 421-427

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抄録
大腿静脈カテーテル留置は比較的安全と認識されているが,先端が上行腰静脈に迷入することで後腹膜血腫などの重篤な合併症をきたすことがある。特に,上行腰静脈の解剖学的特徴から,左側穿刺での迷入はまれではない。しかし,上行腰静脈は椎体の左右に沿って下大静脈と近い位置を走行するため,腹部単純X線写真では迷入に気づかれ難い。本研究により,上行腰静脈迷入例のカテーテル先端の位置は,腹部単純X線写真正面像にて通常より低位となり,右側迷入例では右側へ偏位し,左側迷入例では椎体正中より左側に位置し,側面像では両者とも椎体中央より背側に偏位することを示した。これらのX線学的特徴を知ることは,重篤な合併症の予防につながるため重要である。
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© 2008 日本腹部救急医学会
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