抄録
近年出版された急性胆管炎,胆嚢炎の診療ガイドラインの意義と問題点を整理して考察した。急性胆管炎に関しては,従来から曖昧であった診断基準や重症度判定基準が初めて明確に示され,さらに重症度に応じたタイミングで胆道ドレナージを行う診療指針が示された。しかし,臨床現場にとって最も重要といえる中等症の判定基準には,いわば診断基準項目の一つといえる黄疸(Bil値2mg⁄dl以上)があり,重症度にかかわらず多くの急性胆管炎に認められる可能性がある。このため軽症の急性胆管炎まで中等症と判定される可能性があり再検討を要する。一方,急性胆嚢炎に対しては緊急・早期手術を原則とした明確な治療指針が示された。自験例でのPTGBD施行例を検討すると,中等症以上のRiskのある患者を対象とされたが,実際には高齢者などRiskを有する症例以外にも,診断時に成因が不明の症例,胆管結石の併存を疑う症例などでは PTGBDが選択されると思われる。急性胆嚢炎を合併した有症状胆石の治療という側面があるなか,PTGBDの位置づけがより明確にされることが望まれる。