抄録
急性膵炎の診療ガイドライン改訂における,「診断」の領域を概説する。初版では,1.臨床症状・徴候,2.血液・尿検査,3.画像検査,が目次として掲載されていた。改訂に当たっては,「診断基準」へよりアクセスしやすくすること,成因診断の重要性を喚起することを目的として,1.診断基準,2.臨床症状・徴候,3.血液・尿検査,4.画像検査,5.成因診断,以上の 5項目に再編し,新たなエビデンスの整理と共に記述を改めた。1.診断基準では,厚生省(当時)特定疾患難治性膵疾患調査研究班 急性膵炎臨床診断基準があり,これを銘記した。2.臨床症状・徴候,3.血液・尿検査では,最新のデータや臨床的有用性に関する記載を追加した。特に尿中トリプシノーゲン2簡易試験紙検査は,血中アミラーゼ・リパーゼと比較して感度・特異度に遜色なく,急性膵炎をより迅速かつ簡便に診断する上で有力なツールとなる可能性が示唆された。5.成因診断では,成因の詳細を加筆するとともに,胆石性膵炎の診断と,その後の迅速な処置が救命に不可欠であることを改めて強調した。