抄録
回腸子宮内膜症はまれな疾患で,その術前診断は困難で診断率は15.3~28%と言われている。今回われわれは腸閉塞で発症した回腸子宮内膜症の1例を経験したので報告する。症例は40歳女性,腹痛と嘔気を主訴に来院し腸閉塞と診断されて入院した。イレウス管にて加療を行ったが改善を認めず手術を行った。手術所見では回腸末端部の漿膜面に白色の小結節と透明な小嚢胞を認め,それらによって回腸の狭窄をきたしていた。この部を腸閉塞の責任病変と考え小腸部分切除を行った。切除標本の病理組織学的検査で異所性子宮内膜症と診断された。生殖年齢女性の腸閉塞では腸管子宮内膜症を念頭に置き,加療する事が必要である。