抄録
腹腔内感染症を契機とした重症敗血症/敗血症性ショックに対し,PMX-DHPが施行された126症例(生存群:85例,死亡群:41例)を対象に,PMX-DHPの臨床的評価と各種メデイエーターを測定した。生存群では,90%以上に感染症に対する外科的処置が行われており,現病巣に対する外科的処置の重要性が再認識させられた。重症度(APACHEIIスコア1),SOFAスコア2))などの背景因子は,生存群と死亡群の間に有意差は認めなかった。循環動態は,両群ともPMX-DHP後改善したが,PaO2/FIO2は,生存群でのみPMX-DHP後有意に増加するも,死亡群では有意な変化ではなかった。Procalcitoninは,PMX-DHP施行前値は,両群とも高値を呈していたが,2時間の施行にて,生存群で有意に低下し,PCT値とエンドトキシン値の関連が示唆された。