日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
絞扼性イレウスを起こした小腸間膜裂孔ヘルニアの1例
國井 康弘須田 寸実人片見 厚夫前川 勝治郎鎌野 俊紀
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2009 年 29 巻 1 号 p. 87-89

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抄録

腸間膜裂孔ヘルニアは内ヘルニアの一種で,腸間膜の異常裂孔に腸管が嵌入するものである。今回絞扼性イレウスを起した小腸間膜裂孔ヘルニアの1例を経験したので報告する。症例は29歳の男性である。開腹手術の既往はない。腹痛・嘔気を主訴として来院した。心窩部から下腹部正中に著明な自発痛と圧痛を認めた。内ヘルニアによる絞扼性イレウスを疑い手術を施行した。小腸間膜の異常裂孔に小腸が嵌入しており,その支配動脈を軸として捻転・壊死を起こしていた。このため壊死腸管を含む小腸と裂孔部の切除を行った。術後経過は順調で術後第15病日目に退院となった。本疾患は腸管壊死を起こしやすいため,手術歴のないイレウス症例では本疾患も念頭に置き,迅速な対応が必要である。

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© 2009 日本腹部救急医学会
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