抄録
重症敗血症や敗血症性ショックは救急領域でも最も重篤な病態を呈する疾患である。今回われわれは,サイトカイン吸着カラムを用いた血液浄化法でこの重篤な疾患に対して臨床試験として治療を行った。重症敗血症の18名(サイトカイン吸着群9名,対照群9名)を対象として行い,APACHEIIスコアについてはサイトカイン吸着施行群のほうが対照群より7日目で有意に改善を認めた(P=0.018)。また,サイトカイン吸着群において,7日後のIL─6とIL─8については有意な低下をみたが(p=0,0464),対照群との比較は治験プロトコールの採血ポイント不足で比較できなかった。当施設のみのデーターであるが,重症度改善が認められており,今後変更された治験プロトコールでの結果が期待される。