日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
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特集:腹部救急医療におけるチーム医療
東北大学病院高度救命救急センターでの腹部救急傷病におけるチーム医療,各科との連携
─経動脈的塞栓術と開腹術にて救命した多発外傷の1例─
工藤 大介佐々木 淳一山内 聡湯澤 寛尚小林 道生篠澤 洋太郎
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2010 年 30 巻 1 号 p. 29-32

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抄録
高度救命救急センターで扱う三次救急傷病は複雑な病態が多く,単一科で対応するのは困難である。特に重症多発外傷症例においては,各損傷部に対する専門的な治療と同時に呼吸や循環などの集中治療管理も必要となり,複数科の関与が必要になる。複数科がチームとして有機的に連携すれば,治療効果が上がる。腹部外傷を含む多発外傷例に対して,当センターでは初期診療から集中治療室での管理まで,センター専従医が主治医,リーダーとなり,各科の役割を明確にして,業務分担の調整を行い,有機的なチーム医療の構築を図っている。役割を明確にすることが同時にリスクマネージメントにも繋がる。チーム医療の機能の検証としては,症例検討会を行い,必要時には各科にも参加してもらい,チーム医療機能の向上を図っている。各施設において,救急部門に多くの各科専門医を擁することは難しいが,専門医集団との連携により診療レベルを上げることが大切である。
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© 2010 日本腹部救急医学会
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