日本腹部救急医学会雑誌
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原著
当院における膿瘍形成性虫垂炎に対する治療の現況
小林 慎二郎瀬上 航平三浦 和裕四万村 司櫻井 丈小泉 哲牧角 良二月川 賢宮島 伸宜大坪 毅人
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2011 年 31 巻 4 号 p. 595-598

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抄録

膿瘍形成性虫垂炎に対する緊急手術では拡大手術移行の可能性や合併症発生率が高い。当院では2008年から膿瘍形成性虫垂炎に対して保存的治療で膿瘍を沈静化させ手術希望があれば約3ヵ月後に虫垂切除を行うinterval appendectomy(以下,IA)を行っている。膿瘍形成性虫垂炎32例について検討した。32例中29例(91%)が平均17.2日の入院期間で保存的治療に成功した。29例のうち,手術希望のあった16例に対してIAを施行した。16例のうち14例(87.5%)が腹腔鏡下虫垂切除術を完遂した。手術症例16例における平均手術時間は96分で,手術時平均入院期間は9.4日であった。また手術症例において合併症の発生は1例も認めなかった。総入院日数が長いことが課題であるが,拡大手術移行が少なく,合併症もない本治療方針は膿瘍形成性虫垂炎に対して有効であると考えられた。

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