日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
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特集:NOMI(non-occlusive mesenteric ischemia)をいかに診断し,治療するか
最近のトピックスと今後の展望
松本 賢治尾原 秀明北川 雄光
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2011 年 31 巻 7 号 p. 1001-1004

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抄録

NOMIの診断は,症例の背景(基礎疾患)や理学的所見,血液生化学的検査所見,血液ガス分析結果などに基づき,少しでもNOMIが疑われれば,ただちに選択的上腸間膜動脈造影検査を施行することが,いまだにゴールド・スタンダードである。しかし,近年ではMDCT血管撮影検査や造影超音波検査,腹腔鏡検査などによる診断の試みも登場している。一方,NOMIの治療は原則として血管攣縮の解除であるが,時間的経過によっては腸管の生存能力が失われている症例もあるため,腸管切除術を余儀なくされる場合も多々見受けられる。その際,術中の腸管切除範囲を安全に見定める手段として,レーザードプラ血流検査の導入と,術後24時間以内におけるsecond-look operationの推奨が強調される。

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© 2011 日本腹部救急医学会
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