日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
幽門輪温存膵頭十二指腸切除術5年後に脱落した胆管空腸吻合部のロストチューブにより小腸穿孔を発症した1例
内藤 浩之佐々木 秀小林 健橋詰 淳司中川 直哉立本 直邦
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2011 年 31 巻 7 号 p. 1071-1074

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抄録

症例は74歳男性。2004年11月に膵管内乳頭粘液性腺腫に対して幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(PPPD-IV B-1),脾温存膵尾部切除術を施行されていた。2009年8月,右下腹部痛を認め近医受診。急性虫垂炎を疑われ当院紹介となった。CT検査にて小腸内から腸管外へ脱出する線状異物を認め,胆管空腸吻合部のロストチューブによる小腸穿孔を疑い同日異物摘出術と穿孔部閉鎖術を行った。経過は良好で術後10日目に退院となった。手術時に留置したロストチューブにより消化管穿孔をきたすことは非常にまれではあるが注意すべき合併症であると思われたため報告する。

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