日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
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原著
Closed-loop型腸閉塞症のMDCT診断─絞扼診断の精度向上への試み─
当間 雄之大平 学首藤 潔彦河野 世章夏目 俊之太田 拓実斉藤 洋茂佐藤 麻美久保嶋 麻里米山 泰生宮内 英聡松原 久裕
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2011 年 31 巻 7 号 p. 973-978

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抄録

【目的】血流障害を伴いやすいclosed-loop(CL)の診断は難題である。MDCTによる形態診断を行い有用性について検討する。【対象】MDCTを行った小腸閉塞症50例【方法】(1)64列MDCT:閉塞部の形態に注目し両端閉塞型腸管ループとそれに対応する腸間膜血管の集束像を認めた場合CL型,その他をopen─loop(OL)型と分類。(2)臨床所見と比較。【結果】(1)MDCT:CL17例・OL33例。(2)手術施行29例の手術所見(CL14・OL15)との比較でMDCTの正診率は97%であった。CTでOLと診断した群に絞扼はなく,CL群で17例中9例(53%)に絞扼が合併していた。【考察】空間分解能の高いMDCTによる形態診断は手術所見とほぼ合致した。絞扼はCL内に起こる血流障害であるため,MDCTによるCLの検出は絞扼診断の精度を向上しうる。【結語】MDCTによるCL診断は臨床的に有用と考えられた。

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