抄録
科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン(以下,JGL)が急性胆道炎の診療を向上させた功績は大きい。しかし,いくつかの問題点も指摘されている。その一つに,重症度判定において中等症が多いことがあげられる。胆道ドレナージ後の絶食期間により中等症のcriteriaを単変量解析したところ,腎障害と高熱に有意差を認め,多変量解析で高熱が選択された。速やかな胆道ドレナージを施行しても高熱例では症状が遷延したことより,重症と同等に取り扱うべきであることが示唆された。また,Tokyo Guidelines(以下,TGL)と比較した結果,中等症のうちTGLのmoderateに相当するのは26%であり,絶食期間は3.5日と両者の相違が大きいと考えられた。高熱とmoderateを多変量解析した結果どちらも選択されなかったが,TGLでは来院時に判定できないことが課題であると考えられた。