抄録
Surgical Site Infection(SSI)は,術後合併症の中で最も頻度の高い合併症である。これは高齢者腹部緊急手術においても同様であり,これに対してはさまざまな対策が講じられている。今回は高齢者腹部緊急手術症例を検討し,SSI発生の危険因子となる項目について検討した。過去6年間に太田西ノ内病院外科で80歳以上高齢者に対し全身麻酔下腹部緊急手術を施行した165例を検討すると,単変量解析では低栄養状態,腎機能障害および人工肛門造設術症例ではSSI発生率が有意に高かった。さらに多変量解析を行うと人工肛門造設術は独立した危険因子であった。よって人工肛門造設術を選択した際には高率にSSIが発生することを念頭におく必要がある。