日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
腹腔鏡下にメッシュにて修復しえた再発Morgagni孔ヘルニアの1例
川井 廉之
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2013 年 33 巻 1 号 p. 141-144

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抄録

Morgagni孔ヘルニアは比較的まれな横隔膜ヘルニアである。近年低侵襲な腹腔鏡下修復術の報告が散見されるが,今回再発Morgagni孔ヘルニアにexpanded polytetrafluoroethylene(以下,ePTFE)シートを用いた腹腔鏡下修復術を行い良好な結果を得たので報告する。症例は73際の女性。8年前にMorgagni孔ヘルニアに対して腹腔鏡下に縫合修復術を受けた。今回,検診の胸部X線写真で異常を指摘され当院に紹介となった。胸腹部CT検査にて大網をヘルニア内容とするMorgagni孔ヘルニアの再発と診断し,腹腔鏡下に修復術を行った。ヘルニア門の周囲は脆弱であり,門の大きさに合わせて形成したePTFEシートを用いてパッチ修復を行なった。鏡視下手術において,ヘルニア門の修復にePTFEシートを単独で用いた報告はない。本シートは自由に形成でき,固定が最小限ですみ鏡視下ヘルニア修復術に有用と思われた。

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© 2013 日本腹部救急医学会
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