日本腹部救急医学会雑誌
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原著
岩手県沿岸北部地域における外傷性肝損傷の検討
皆川 幸洋下沖 収遠野 千尋藤社 勉高橋 正統阿部 正
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2013 年 33 巻 1 号 p. 15-22

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抄録
腹部外傷のなかで最も治療成績が不良な損傷は鈍的外傷による重症型肝損傷,つまり日本外傷学会肝損傷分類の複雑深在性損傷(以下,IIIb型肝損傷)とIIIb型肝損傷に旁肝静脈損傷合併例(以下,IIIb+JHV)である。岩手県沿岸北部おいて過去10年間に24例の外傷性肝損傷例を経験したのでIIIb型重症肝損傷に対する治療戦略を中心に検討を加え報告する。当院において非手術的治療(Non-operative management:以下,NOM)を20例trasarterial embolization(以下,TAE)は2例に行い,4例に手術的治療を行った。24例の外傷性肝損傷例の検討に基づいて検討すると当施設のような過疎地域にある救命救急センターにおいて重症肝損傷に対する治療戦略として重症外傷対応チームの育成Japan Advanced Trauma Evaluation and Care(以下,JATEC)受講歴のある消化器外科医,IVR対応に精通した放射線科医,重症外傷管理に精通した麻酔科医,Japan Prehospital Trauma Evaluation and Care(以下,JPTEC)受講歴のある看護師などによるチーム,ドクターヘリコプター利用による病院前治療の充実,セルセーバー®など自己血回収装置の積極的利用が肝要と考えられた。
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© 2013 日本腹部救急医学会
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