日本腹部救急医学会雑誌
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原著
緊急手術で造設した消化管ストーマにおける合併症の検討
中野 昌彦東舘 成希板垣 有亮黒田 久志田中 将也為廣 一仁島 弘志
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2013 年 33 巻 4 号 p. 683-686

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抄録
2010年4月から2012年3月までに当院において緊急手術でストーマ造設した93例(男45例,女48例)のストーマ合併症を検討した。年齢は74.5歳(38~94歳)。疾患は大腸癌45例(イレウス36例,穿孔9例),良性疾患によるイレウス16例(S状結腸捻転8例,小腸絞扼8例),憩室や糞便等による良性腸管穿孔15例,術後縫合不全等9例,その他8例であった。ストーマタイプ別では大腸単孔式39例,大腸双孔式24例,小腸双孔式24例,その他6例であった。ストーマ合併症を28例,延べ34例に認めた。創感染が16例で最も多く,次いでストーマ周囲膿瘍が11例であった。ストーマ合併症は大腸穿孔で多かった。術死14例も含め死亡例が18例あったが,ストーマ合併症による死亡例はなかった。緊急ストーマ造設時はストーマ位置決めの原則を念頭に置き,手術部位感染(SSI)の予防に留意することが重要である。
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© 2013 日本腹部救急医学会
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