日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
特発性気腹症,縦隔気腫,皮下気腫を呈し,術後治療に難渋したCornelia de Lange syndromeの1症例
楯川 幸弘
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2014 年 34 巻 1 号 p. 121-125

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抄録

腹腔内遊離ガスを認めるが,明らかな消化管穿孔を有しないもの,または原因の不明なものは特発性気腹症と報告されている。症例は,Cornelia de Lange syndromeの13歳,男児。嘔気,下痢,熱発により外来を受診した。感染性腸炎による腸閉塞と診断し入院した。入院後,腹部膨満が著明になりCT を施行し,腹腔内遊離ガス,縦隔気腫,皮下気種を認めた。穿孔性腹膜炎を疑い緊急手術を施行し,膿性腹水を認めたが,穿孔部位は明らかではなかった。術後遺残膿瘍が疑われ再開腹術を施行したが,膿性腹水を認めなかった。術後長期挿管管理となったため,気管切開を施行した。術後腸閉塞を併発し,保存的に経過観察した。しかし,症状は改善せず腸閉塞解除術を施行した。今回,術後治療に難渋した特発性気腹症,縦隔気腫,皮下気腫を呈したCornelia de Lange syndromeの1症例について報告した。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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